テキスタイルコラム-エピソード②スモックコート

羊をめぐる冒険vol 10

テキスタイルコラム-羊をめぐる冒険シリーズの

過去記事は下記をチェック

羊をめぐる冒険vol.1~vol.9

エピソード② スモックを着た羊飼い

悩んだ末にとりあえずスモックについて書くことにしました。

本当はエピソード②で遊牧民について書くつもりだったのですが

かなり手強いというかあまりに無知なことにいまさら気づき。

遊牧民については後日にさせていただきます…

そこで羊飼いが身に着けているあの作業服?

スモックについてならばファッションとも関りがあるなと…

しかしこれも考えが甘かったことに気がついたけど

もう木曜日だしと…

言い訳しながらサラッと行きます。

スモックとは

スモックには一般的には作業着というイメージがありますよね。

ホルベインが販売している絵描き用のスモックや幼児に着せる、汚れて良い服もスモック。

日本では割烹着がスモックのイメージに近いかも知れませんが、個人的には白衣もスモックの一種だと思ってます。

イギリス・フランス・オランダ軍などのスモックコートやヴィンテージ物も特定の人気があるみたいです。

ハンドメイドやリメイクの対象としても、そしてアパレルメーカーにとってもスモックコートは一つのジャンルになっていて作業着からファッションまでかなり幅広いイメージがスモックにはあります。

個人的にはカッコイイ刺し子のスモックジャケットには興味大ありです。

Wikipediaによれば(以下引用)

スモック(英語:Smock-frock, Smock)は、軽作業用に用いられる上衣の一種。18世紀前半にイギリスのウェールズで農業従事者によって使用されていたものが起源とされる。襟がなく丸首で丈の長い身頃に、長袖がついた形の上着である。やや末広がりの、ゆったりとしてすとんとしたデザインで作られている。背中、胸元、および袖にある「チューブ」と呼ばれるプリーツと、そこに織り込まれる、伸縮性を持つよう調整されたスモッキングと呼ばれる亀甲模様の刺繍が特徴である。伝統的なスモックはリンネルか羊毛で作られており、丈はもも丈からふくらはぎの中ほどまでと多様である。

スモックの起源

上記の引用では「18世紀前半にイギリスのウェールズで農業従事者によって使用されていたものが起源とされる。」となっていますが、1325~1340年の間に作成された「ラットレル祈祷書」に描かれている羊飼いは明らかにスモックのような服を身に着けているのだそうです。いずれにしても日常の労働着として身につけていたスモックが1700年代になると人気になり、晴れ着やお祝い着用途の派手なスモックも作られるようになります。スモックの襞飾りや刺繍には装飾的な意味合いと共に服に伸縮性を与え摩耗し易い部分を補強する実用的な意味合いも強かったと思われ、スモックは労働生活衣としての重要な役割をしていました。

スモック人気の終焉とファッションとしてのスモック

農業や羊飼いの仕事に従事していた人々の多くが19世紀に産業革命が起きて次第に工場で働くようになるにつれてゆったりとしたスモックは工場での労働に向かないことから19世紀の終わり頃までにはほとんど着られなくなりました。産業革命によって都市の人口が増加し生活スタイルも農村型から都市型に大きく変化して行く中で労働生活着としての役割を終えたスモックは中流階級の女性や子供向けのドレスとして変貌し後世のファッションに大きく影響を与えて行きます。

羊と遊牧民

UnsplashのPatrickSchneider

羊をめぐる冒険シリーズも10回を越えて、遊牧民は私的には絶対に外せないテーマだと思っているのですがいざ書こうとして、遊牧民について何も知らないことに気づいてしまいました。

遊牧民・匈奴・パオ・モンゴル帝国…

もうこの辺で止まってシマウマなのです

ノマドワーカーにあこがれる身としては

しばらく時間をいただいて遊牧民について勉強したいのですが

遊牧民と一緒に暮らしてみるとか出張調査とかは論外なので

週末の図書館で通り一遍の学習をして1~2週間ほどで戻って来ます!

というわけでテキスタイルコラム-羊をめぐる冒険シリーズは

少しの間休暇をいただきます。

では~

 

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TAKIZAWA

テキスタイル課 課長株式会社クロップオザキ
テキスタイル担当のTAKIZAWAです。
生地のことなら何でもお聞きください。趣味がトレッキングや山登りなので、アウトドアウェアにもちょっとだけ詳しいです。「テキスタイルコラム-Textileから見た世界」を担当しています。私のミッションは失われつつある美しい地球環境を500年後の子孫に残すこと…誇大妄想Innovatorです(笑)

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