簡単な繊維の話はじめました~その3

簡単!繊維鑑別法

今年の夏は超猛暑と言われ覚悟していましたが雨ばかりで気がつけば9月も半ば、厳しい残暑の気配も無く秋分の日を迎える事ができそう?からだは楽でしたがなんだかちょっと物足りない気もします。来月は秋の涸沢あたりでのんびり過ごしたいテキスタイル担当の瀧澤です。

繊維鑑別と混用率試験

生地や製品の繊維の構成を公的試験機関で調べてもらう場合、繊維鑑別と混用率試験があります。繊維鑑別とは繊維製品を構成する繊維の種類を特定する試験で、混用率試験の方は繊維の種類と混用率(%)を調べます。単一の繊維で構成される繊維製品の試験は比較的簡単で費用も安いですが、多種類の繊維で構成される繊維製品の混用率を調べる場合とても手間がかかり費用もかなり高額になります。

天然繊維と見分けのつかない化合繊

ところで生地を扱っていると“チョットこの生地って本当に綿100%ですか”なんて聞かれることが良くあります。見たり、触ったりしただけでは合繊か天然繊維か見分けがつかない生地が沢山ありますね。最近は大分減りましたが中国市場の生地見本など綿100%と表示してあるのにポリエステル100%だったなんてことが良くあります。化合繊の技術も日々進化していて、コットンライク・ウールライク・麻ライク等々…パッと見では天然繊維と見分けがつかない生地も沢山ありますね。

困った時に簡単に見分ける方法

製品に品質表示を付ける際には産元メーカーさんに混用率証明書を出してもらったり、公的機関での混用率試験が必要になる場合もありますが。試験に出すほどではないけれど…

この出所不明の生地本当に綿100%なの?

ウール100%と書いてあるけど本当なの?

この生地ってポリエステル?それともナイロン?

と言うときに簡単に見分ける方法があります。

繊維鑑別法(燃焼法)

ここでは代表的な繊維(綿・ウール・麻・ポリエステル・ナイロン等)を燃やして見分ける方法を御紹介します。まずは下の表を見てください。大分古くて見難いですがクリックすると拡大します。

あとは鑑別したい生地の繊維をほぐしてライターなどで焼いてみるだけです。超簡単でしょ~!と言ってもこの表に載っているすべての繊維を見分けるのは至難の業です(キッパリ)。そこで…

燃焼法のコツ

1.生地の繊維は解して縦糸と緯糸に分けて焼いてみる(天然繊維と化繊の交織

を見分ける事ができる)

2.セルロース系繊維(綿・麻・レーヨン等)は紙の燃える臭いで白っぽい灰が

残るが燃焼法で綿・麻・レーヨンの違いを見分けるのは困難。

3.動物繊維(シルク・ウール・獣毛)は髪の毛(タンパク質の焼ける)臭いが

特徴。これも燃焼だけで獣毛の種類を見分ける事は出来ない。

4.ポリエステルとナイロンの違いは実際にポリエステルとナイロンの繊維を

焼いてみて臭いを覚えておくと簡単に見分ける事ができる。

5.混紡糸は化繊と天然繊維が混ざっているケースが多く両方が混ざった

燃え方をする。

なんだ全然簡単じゃない///

と言う声が聞こえてくる気がするのでここであらかじめお詫び申し上げます(笑)

どんなことにも修練は必要です(すまん!)機会あるごとに一寸焼いてみるを繰り返していると段々判るようになりますよ~

ただし、火の取扱いには充分に注意して良い子の皆さんがマネしないように注意してください(笑)

と言う事で今回は簡単繊維鑑別法でした。

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テキスタイル担当でした。では~

 

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TAKIZAWA

テキスタイル課 課長株式会社クロップオザキ
テキスタイル担当のTAKIZAWAです。
生地のことなら何でもお聞きください。趣味がトレッキングや山登りなので、アウトドアウェアにもちょっとだけ詳しいです。「テキスタイルコラム-Textileから見た世界」を担当しています。私のミッションは失われつつある美しい地球環境を500年後の子孫に残すこと…誇大妄想Innovatorです(笑)

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