簡単な繊維の話はじめました~その1

テキスタイル担当の瀧澤です。

あっ、という間に6月。もう冷やし中華と生ビールの季節ですね♪

毎月第2月曜に書かせていただいているこのブログですが週末に一杯やりながら書いていると、どんどん本業から離れてしまう…ということで

冷やし中華じゃなくて

簡単な繊維の話を始めました~

1回目は繊維ってなに…

繊維とはなにか?

明治以降の日本の近代化の歴史は繊維産業の発展と共にあったと言えると思いますが、糸を織ったり編んだりする技術は人類の歴史とともに発展して来ました。そして糸は繊維を撚り合わせて造られています。撚り合わせて糸にするためには細長い事が条件ですので、繊維とは大体で言うと「細長い物(個体)」と言う事になります。そしてこの細長い個体を撚り合わせたものが糸になります。

 

そこここにある繊維と糸の構造!

繊維を撚り合わせて糸にすると言ってもなんだかあまり実感がわかないと言う方は、わら草履や正月飾りのしめ縄を想像してください。稲や麻の藁(細長い)を撚り合わせて太い縄にしているのが良く判ります。極細の絹糸から吊り橋を吊っている太いワイヤーまで材質や強度、太さは違うけれど原理はみんな同じなのですね。

天然繊維と合成繊維

ところで身の回りの繊維製品には天然繊維と化学繊維があります。天然繊維は古来より私たちの身の回りにある動植物を利用した繊維で綿・亜麻・苧麻などの植物繊維と羊毛・獣毛・絹など動物繊維があります。一方化学繊維は1885年に実用化されたレーヨンを始まりにビスコースレーヨン・キュプラ・ナイロン・ポリエステル・アクリル・炭素繊維と次々に実用化されてきました。化学繊維は原料や製造プロセスにより合成繊維・半合成繊維・再生繊維・無機繊維に分けられます。

 

短繊維と長繊維

また繊維には短繊維(staple fiber)と長繊維(long fiber)と言う呼び方がありますが、

シルク(絹)以外の天然繊維は全て短繊維です。短繊維は繊維長が短く(数ミリ~最長で1m位の長さ)これを引き揃えて撚りをかけて紡績糸(spun yarn)にします。そして天然繊維で長繊維と呼ばれるのは蚕の繭をほぐして得られる絹糸だけです。これは蚕が繭を作るときに一本の長い糸をはいて繭を作るからです。一つの繭からは1000m前後の長さの繊維が取れこれを数本引き揃えて絹糸にします。短繊維を撚り合わせた糸をスパン糸、長繊維を撚り合わせた糸をフィラメント糸と呼んでいます。

化学繊維は長繊維…?

化学繊維は溶かした原料を細いノズルから押し出して作られる長繊維ですが必要に応じて一定の長さにカット、綿状にしてスパン糸にも加工されます。短繊維で紡がれたスパン糸は毛羽や膨らみ感のある糸や生地になり、長繊維で紡がれたフィラメント糸は光沢のある滑らかの風合いの布になります

養蚕業の救済にも取り組んだルイ・パストゥール

19世紀後半に最初の化学繊維であるレーヨン(人絹)作られる以前にはシルクだけが唯一の貴重な長繊維でした。19世紀の中頃に蚕の微粒子病と言う病気が広がり養蚕業は壊滅的な打撃を受けます。その時フランスの有名な細菌学者ルイ・パストゥールがこの微粒子病の原因を突き止めて養蚕業の救済に取り組んだのだそうです。以後レーヨンに始まった化学繊維の開発は科学技術の進歩にともない120年程の間に多種多様の合成繊維が生み出され、改良されて現在の様に様々な風合いや機能性をもった生地が身の回りにあるのは本当に凄いことだなぁ~と思います。

では~

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TAKIZAWA

テキスタイル課 課長株式会社クロップオザキ
テキスタイル担当のTAKIZAWAです。
生地のことなら何でもお聞きください。趣味がトレッキングや山登りなので、アウトドアウェアにもちょっとだけ詳しいです。「テキスタイルコラム-Textileから見た世界」を担当しています。私のミッションは失われつつある美しい地球環境を500年後の子孫に残すこと…誇大妄想Innovatorです(笑)

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