簡単な繊維の話はじめました~その5

天然繊維編 羊毛(ウール)のはなし

今年も残すところ3週間。1年が早~い!

寒くなってきたので新しい(穴の開いていない)スーパーメリノのアンダーウェアーが欲しいテキスタイル担当の瀧澤です。

牧羊の歴史

人が羊を飼うようになったのは紀元前6000年くらいまで遡ると言われています。牧羊はおそらく中央アジアで始まり、バビロニア・古代ギリシャ・ローマへと伝わり、その後ヨーロッパ各地や豪州で盛んになります。今はオーストラリア・ニュージーランドを抜いて生産量が一番多いのは中国です。現在のメリノウールに代表される、あのモコモコの柔らかい毛を全身に生やした羊が初めから世の中に存在したわけではなく、牧羊の長い歴史の中で本当に良いウールを持った羊を選別して交配を繰り返して現在のような羊を創出してきたのです。

スペイン・メリノ種の登場

ところで、一口に羊と言ってもおよそ3000もの品種がありそれぞれに毛の質や硬さ・繊維長・色などが違っています。そしてその中でもメリノ種は“羊毛の王者”とも呼ばれ、西暦1300年代にスペインで創出されました。その後スペイン王国の貴重な財源となってきたスペイン・メリノ種は19世紀のスペイン独立戦争後に欧米諸国に渡って改良され現在ではオーストラリア・メリノ種が最良の羊毛を産出する品種と言われています。

化学繊維の及ばない最強の天然繊維

戦前の日本でウールは庶民に手の届く繊維ではありませんでしたが、終戦後に尾州地区が世界でもトップレベルの毛織物産地として発展しました。最近では軽くて高機能の合繊素材やダウン製品に押されて衣料用途の需要は減少しています。また食用としても需要のあるメリノ種は羊毛の価格変動等によっては食肉用として出荷される運命にあります。しかしウールは化学繊維には真似のできない多くの特性を備えた非常に優れた天然繊維なのです。

羊毛(ウール)の特性

ウロコ状の表皮(スケール)を持つ

羊毛の表面にはスケールと呼ばれるウロコ状の表皮が毛先方向に向かって屋根瓦の様に重なっています。これによって繊維同士が絡み合う事で糸に加工し易く、抜けにくい特徴があります。またこの表皮は吸湿性があるのに水滴をはじく機能を併せ持っていて外部の湿度によって水分を放湿したり吸湿したりします。

羊毛の内部構造

コルテックスと呼ばれるウールの皮質部はプロトフィブリルと言う極小の繊維質が集合した紡錘形のフィブリルが石垣状に結合して出来ています。またこのコルテックスは性質の異なる好酸性の組織と好塩素性の組織が貼り合わさったバイメタルのような構造になっていて、これが空気中の水分の酸やアルカリに反応してウール独特のクリンプと呼ばれる縮れを生じさせます。この縮れがウールに嵩高性と保温力また皺になり難い復元力を持たせています。

ウールの縮絨性

ウールはウロコ状のスケールをもつ事で繊維同士が絡み合う強い縮絨性がありメルトンのような防寒用の厚地織物やフェルトとしてまたピアノの鍵盤を叩くハンマークロス等々に幅広く使われています。

その他のウールの特徴

ウールには上記以外にも

・汗や湿気を吸って吸着熱を発生させる。

・汚れがつきにくい。

・抗菌消臭力がある。

・燃えにくい

身に纏う繊維として多くの素晴らしい性質を併せ持った非常に優れた繊維なのです。

いま最もおすすめなウールアイテム

そんな良いことだらけのウールですが以前はチクチクする等の理由で特に肌に直に触れる衣料には敬遠される人も多かったのですが。私がお奨めするスーパーメリノウールのアンダーウェアーやメリノウールのソックスは稀少な極細のメリノウールを使用していて直接身に着けてもほとんどチクチクしないまさに第二の皮膚の様です。一度身につけたら合繊のアンダーウェアーには戻れませんよ~ 靴下も登山用の厚手からランニングシューズ用の薄手まで各メーカーが様々なラインナップの商品を出しています。薄手の5本指ソックスは夏に履いてもサラサラで快適、足の臭いも防いでくれます。新しい羊毛(ウール)の価値観、スーパーメリノウールを是非あなたも体感してみて下さい。

弊社でもこれらのファインウール素材も取り扱っております。お問い合わせ御質問はコチラまで。

では~

 

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TAKIZAWA

TAKIZAWA

テキスタイル課 課長株式会社クロップオザキ
アウトドア・スペシャリストのTAKIZAWAです。
生地のことなら何でもお聞きください。趣味がトレッキングや山登りなので、アウトドアウェアには詳しいです。休日は整体師をしておりますので肩こり・腰痛等お体の悩みもお気軽にご相談くださいね(笑)

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