アウトドアウェアで見るファスナーの圧着、あの圧着資材をご紹介!
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最終更新日:2019/12/12
今さら聞けないファッション資材のこと, 加工のこと, 付属のこと, デザインのこと, 製品のこと
こんにちは、スポーツファッションサポーターの白井です。
3月と言ったら花粉症ですよね…。
私も見事に花粉症で鼻がムズムズなのですが、一昨年くらいから花粉症の時期に実践していることがあります。
それは『諦める』という事。
薬も飲まず、ただひたすら時期が過ぎるのを耐えるのみ。
症状が重い方からすればバカじゃないのかと思われるかもしれませんが、実は去年、今年と飛散量が多いにも関わらず花粉の症状が軽くなりました。抗体が出来たのでしょうか…?でもきっと気のせいです(笑)
さて、花粉症とはまったく関係ありませんが、今回は最近流行りの圧着加工で使用できる資材をご紹介します。
圧着加工とは?
圧着加工とは、ホットメルトという高熱をあてることで溶けるノリを使用してミシンで縫製をせずに資材を生地に貼り付ける加工のことです。
ホットメルトという素材は130℃以上の高温で溶け、冷えると固まるという性質を持っており、溶けたホットメルトが生地組織の中に染み込み、それが冷えて固まることによって資材と生地を貼り付ける事ができます。
今回は圧着系資材の中でも代表的な3点をご紹介致します。
代表的な圧着資材
1.カッティングシート
2.両面ホットメルト
3.圧着パーツ
1.カッティングシート
最近、ポケットファスナーの周りをぐるりと囲っているように使用されている洋服をよく見ます。これはポリウレタンのフィルムシートをレーザーカットして圧着加工しています。
レーザーカットすることで希望の形やデザインを抜き型を作ることなく作成することができます。
ポケットファスナー周り以外にもブランドロゴやエンブレムの形にレーザーカットして、デザインとして圧着することもできます。貼るだけでスポーティな表現が可能です。
さらに、シートの上に重ね貼りをすることが可能で、高さを出したり、色を重ねたり、存在感の強いロゴ出しが可能になります。
また、身生地に希望の形のカッティングシートを貼り、レーザーで生地ごとシートの中を抜くことでハトメやポケットぐちを作成する事ができます。
次にご紹介する両面ホットメルトやファスナーなどと組み合わせて、シームレスなポケットを作成することも可能です。
もちろん先に抜いたパーツを縫製後のポケット周りに圧着する事も可能なのですが、そうするとポケット位置とシートの位置を合わせるのが大変で加工に時間がかかってしまいます。また、カッティングシートの表面にステッチの凹凸が出てしまいます。
一方で、先にカッティングシートを貼ってレーザーで抜いたとしても、そこからファスナーと袋布とを合わせる時に縫製が入ります。すると、せっかくのスポーティーに仕上げたカッティングシートの上にステッチが掛かってしまい、見栄えが良くないです。ミシンでシートに傷をつけてしまうことにもなりますし…。
そんな時に活躍するのが次にご紹介する両面ホットメルトシートになります。
2.両面ホットメルト
両面接着のノリですので写真撮っても見えないですね(笑)
こちらは主に生地と生地とを貼り付ける両面ホットメルトになります。最近何かと話題のシームレスダウンにも使用されています。縫製時にステッチが無いというのが特徴です。
これを使用すれば①のカッティングシートを貼った生地とファスナー、袋布までを全て圧着で組み合わせることができ、カッティングシートとファスナーの境目に生地が見えてしまうという事故も防ぐことが出来ます。
3.圧着パーツ
こちらは圧着資材の中でもかなり機能的な一体型圧着ストッパーです。
生地をレーザーで抜いたあと裏からこのパーツをあて、圧着することでハトメ/ストッパーの役割を担えてしまう一石二鳥なパーツになります。フードの端に使用するゴムスピンドルの始末など、どうしてもマンネリ化しがちな問題を解消してしてくれる機能的にも見た目にもスッキリとした商品です。
圧着資材の注意点
各種圧着資材ですがやはり使用上の注意点があります。代表的なのが、生地との相性によって接着強度が善し悪しがあること。接着強度は弱いと製品になってから剥がれるクレームになります。従ってサンプル段階でテストをしてください。
そして当然ですが、圧着機械の設備が必要です。、圧着する際の条件設定などに注意して頂くことも。外注加工も可能ですので、詳しくはお問い合わせください。
まとめ
圧着資材について紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
カジュアルウェアでもスポーツライクが流行している昨今、スタイリッシュで機能的な表現には圧着資材がマストアイテムになりつつあります。工夫次第で今までになかった表現や加工が可能になり、デザインの幅も広がります。
ぜひ、あなたの企画にも使ってみてください!
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白井智成
入社からずっとスポーツアパレルのお客様を担当させて頂き、シリコン製のパーツを扱うことが多く、
シリコン製品アドバイザーになりました!
シリコンのことでしたら、何でもお聞きください!!

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