サスティナブルな素材ってなんだろう?part2

と~っても暑かった夏もようやく過ぎようとしています♪ 最近は雲がすごいので空ばかり眺めて歩いてます。この2年くらい台風じゃなくても雲がすごいなぁ~と思っているのは私だけ?これも温暖化の影響でしょうか?私は違う気がしますけど…

テキスタイル担当の瀧澤です。

前回のブログ

サスティナブルな素材ってなんだろう?part1

では、天然繊維のオーガニックコットンとリネン・ラミー・ヘンプのサスティナブルについて書きました。今回は引き続き天然繊維の中でも動物性の繊維のウールとシルク(絹)や再生プラスチック、生分解性繊維、バイオマス素材について考えてみたいと思います。

ところでバイオマスと言うと新しい技術を用いた素材のように思うかもしれませんが、実はコットンや麻などの植物性天然繊維も動物性の天然繊維と呼ばれるものも全てバイオマス素材なのです。

バイオマスという言葉では、バイオ燃料やバイオエタノールなどの石油の代替燃料の技術が真っ先に思い浮かぶのではないでしょうか。バイオマスという言葉のバイオ(BIO)は生物全般を指し、無機物に対する有機的なものは全てバイオと言えます。マス(MASS)は質量のことなのでバイオマスとは生物の量を表しています。

地球上の全バイオマス量は乾燥重量で約1兆8000億トンと試算されています。1兆8000億トンがどのくらいの量なのかちょっと想像しにくいですが、世界中の耕地で一年間に得られるバイオマスの量は約90億乾燥トンと言われています。バイオマスは地球の生態系の中で形を変えながら循環している有機的なエネルギーなので、人口の増加などによって使う量が増えても、環境への影響は比較的緩やかでした。人類は化石燃料(石油)の利用が始まるまでは食料を含めたほぼ全ての物質エネルギーを太陽とバイオマスから得ていたと言えます。しかし現在は、化石燃料の利用の増大による大気中の炭酸ガスの増加、循環されないプラスチック廃棄物などが様々な問題を引き起こしています。単純に考えれば化石燃料の使用を抑制して、バイオマス等の循環型エネルギーを健全な形で有効利用して行くことが、持続可能な世界を実現して行くための最も現実的な方法だと思います…。というよりも、生物としての人は、地球という生物圏の循環の中でしか生きてゆくことができないことを改めて認識し直すことで、やっと本当に持続可能な世界の入り口に立つことができるのだと思います。

いかん、また前置きが演説に…(笑)

では、本題に

動物繊維とは

動物性の繊維は文字通り動物の毛や昆虫の繭から得られるタンパク質繊維を利用したものです。動物繊維にはメリノ種など畜産種の羊の毛である羊毛と、カシミヤ(カシミヤヤギ)・アルパカ・キャメル・モヘア(アンゴラヤギ)・アンゴラ(アンゴラウサギ)などの羊以外の動物の毛を利用する獣毛。そして、昆虫の蛾が蛹化(繭を作ってサナギになる)する際に吐き出す糸を利用したシルク(絹糸)があります。シルクは古くから改良が加えられて飼育されてきた家蚕(カイコ)とワイルドシルクと呼ばれる野蚕(主にヤママユガ科の繭)を利用しています。

最近ではめったにお目にかかれない。ヤママユガ(自宅裏山にて)

ウールはサスティナブルか?

羊毛はサスティナブルな繊維だと私は考えます。動物愛護の観点から家畜等の利用はやめるべきだと考える人もいますし、サスティナビリティとアニマルフリーをコンセプトにするブランドもあります。確かにそうした意見やコンセプトにも意味があると思いますが、有史以来、人の手によって改良され人とともに生きてきた家畜をすべて野に放つとか、全ての家畜を屠殺して一旦リセットして、もう人類は生物の家畜利用を全て止めました!なんていうのはあり得ないです。今の段階では、より動物へのストレスが少ないウールの生産方法にシフトしていくことがベターな選択だと思います。

しかし、その柔らかい風合いと暖かさから近年需要が高まったカシミヤ山羊の需要増大による過放牧や飼育規模拡大によって引き起こされている砂漠化の問題(主に中国)、羊毛生産量世界第2位のオーストラリアでいまだに合法的に行われているミュールジングの問題などを無くしていくためには、より一層のトレーサビリティーの確立とやはり消費する側の意識の変化が必要なのだと思います。羊にとって必要かくべからざる皮膚でもある羊毛はその機能性の面でも非常に優れた繊維であり、循環方式のオーガニック農法と組み合わせてバイオサイクルに組み入れていくことで、サステナビリティを高めて行くことができる繊維素材です。家畜の利用は多くの飼料や水を必要として炭酸ガスやメタンを発生させるので、サスティナブルではないという考え方もあるようですがそういう人はまず自分が呼吸するのを止めてみれば良いのです。(ちょっと言い過ぎか~w)

David MarkによるPixabayからの画像

 

シルクはサスティナブルか?

シルクについて書こうとして、現在の養蚕業についてほとんどなにも知らないことに気がつきました。養蚕業の今ってどうなっているのでしょうか?国内の養蚕業がピークだった頃から振り返ってみます。日本の養蚕業のピークは1920年代でおよそ221万戸が養蚕業に従事し、世界の生糸の6割を生産していました。1929年に世界恐慌が起こると減少に転じ1980年代以降にはさらに急速に減少します。私が育った神奈川県相模原地域もその名残で1960年代まではたくさんの桑畑が残っていました。現在国内で養蚕業に従事する農家は350戸前後です。現在の世界のシルクの生産量の80%は中国、次いでインド・ベトナムの生産量が多く、ブラジルやウズベキスタンが新興の生産国となっています。

一方、シルクの消費はアメリカ・イタリア・フランス・イギリス・中近東の順に多く、日本も有数のシルク消費国です。世界的にもシルクの需要が高まっているのは衣料用途だけでなく、先端の技術開発によって医療品・化粧品・食品加工等の商品開発が進み用途が広がっていることも大きな要因となっています。先に述べたように動物繊維であるシルクはバイオマスの循環サイクルの中で生産することができます。蚕の餌となる桑を化学肥料や農薬を使わないで育てるGOTS適合認証の制度もあります。そうした意味でシルクも持続可能な繊維素材であると思います。

カイコガ Dan BurchmoreによるPixabayからの画像

ところで、国内では2018年に 熊本県の山鹿市に最先端のゲノム編集などのハイテク技術を用いてクリーンルームで大量の蚕を飼育する世界初の大規模養蚕工場が稼働し、養蚕業の新しい可能性として世界から注目を浴びています。地域での雇用創出効果も大きく国内の養蚕業の新しい可能性としては素晴らしいことなのだと思うけれども、個人的には人間の欲と必要性だけで、生命を工場というシステムで生産するという考え方には違和感を感じます。今後の動向には注目していたいと思います。

さてと、またしても長~くなってしまったので、再生プラスチック・生分解性繊維・再生繊維・バイオマス素材(プラスチックゴミ問題にも及ばずながら触れます)についてはpart3に続きます。part1、part2とここまで読んでる人はいないだろうなぁと思いつつ、ひきつづき独走&毒吐く…します!(笑)

テキスタイル担当の瀧澤でした

では~

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TAKIZAWA

TAKIZAWA

テキスタイル課 課長株式会社クロップオザキ
アウトドア・スペシャリストのTAKIZAWAです。
生地のことなら何でもお聞きください。趣味がトレッキングや山登りなので、アウトドアウェアには詳しいです。休日は整体師をしておりますので肩こり・腰痛等お体の悩みもお気軽にご相談くださいね(笑)

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