サスティナブルなボタンをお探しのあなたへ 

こんにちは!スポーツファッションサポーターの野崎です。

今回は、アパレル業界でも最近よく話題に取りあげられている「サスティナビリティ(持続可能性)」に関連して、バイオマスプラスチックの仕組みとアパレル資材として使われているボタンを紹介します。

「サスティナブルなアパレル資材に興味があるけど、何を使って良いのか分からない!」

「バイオマスプラスチックを使った付属を使ってみたけど、いまいち仕組みが分からなくて、本当に環境にやさしいことをしているのか、実感が湧かない!」

という方、必読です!

バイオマスプラスチックとは?

通常のプラスチックは、石油などの化石資源を合成して作られます。それに対しバイオマスプラスチックは、トウモロコシ・麦わら・サトウキビ・菜種などの再生可能な植物を使用して作られます。そのバイオマスプラスチックを原料として作られているのが「バイオマスプラスチックボタン」です。

植物を原料にすると、なぜ環境にやさしいのか?

簡潔にまとめると、植物を原料とすることでプラスチックを作る際に生まれる二酸化炭素を、植物が光合成をするときに吸収する二酸化炭素で相殺してしまおう!という仕組みだからです。

※原料や製品の重量のうち25%以上がバイオマス由来であればバイオマスプラスチックと認定されるため、バイオマスプラスチック製品の原料全てが植物からできているわけではありません。



バイオマスプラスチックのメリット

バイオマスプラスチック製品を使うメリットは、大きく分けて3つあります。

① 石油を使わない

バイオマスプラスチックは、本来のプラスチックの原料である石油を使わずに生成できます。現在、世界の石油の8%はプラスチックを作るのに使われていると言われています。石油は限りある資源なので、未来へと資源を残し、サスティナブルな世の中をつくっていくためには、石油使用量を削減することが必要なのです。

 

② 地球温暖化への影響が少ない

バイオプラスチックを廃棄することで放出される二酸化炭素は、植物が成長する際に吸収する二酸化炭素と相殺されます(カーボンニュートラルとも言います)。よって収支がゼロになり、大気中の二酸化炭素が増えることは無く地球温暖化への影響が少ないと言われています。

 

③ ダイオキシン類が発生しない

従来のポリエステルを生成するために使用する原料の石油に比べて、焼却する際の燃焼熱が低く、ダイオキシン類が発生しません。ダイオキシン類は、一度環境に放出されると土壌に長期間残留し、それを食べた生き物、その生き物を食べた生き物・・・・というように、食物連鎖によってどんどん濃縮されていき、生体に影響を及ぼすと言われています(これを生物濃縮といいます)。

バイオマスプラスチックを使うことは、ダイオキシン類の発生を発生させず、生物濃縮の防止に貢献できるといえます。

※バイオマスプラスチックの中には、生分解性(土に埋めると自然界の微生物によって水と二酸化炭素に分解される性質)があるものもありますが、全てのバイオマスプラスチックに生分解性が備わっているわけではありません。



バイオマスプラスチックの環境循環

バイオマスプラスチックがどのように環境循環しているかをご説明いたします。

まず、原料となるトウモロコシ・サトウキビなどの植物資源(バイオマス)を発酵させ、エタノールなどのプラスチックのもととなる原料を作ります。そしてそれらを合成し、バイオマスプラスチックを生成します。そのようにできあがったプラスチックを成型して、ボタンなどの付属を作り、それが製品となって市場流れます。そして、使用しなくなって捨てられた製品が燃やされます。この燃焼の際に二酸化炭素が発生し、この二酸化炭素が地球温暖化が進む原因として問題となっています。しかし、原料となっているトウモロコシ・サトウキビなどの植物は、生きるために光合成をします。光合成は大気から吸収した二酸化炭素と水を使って、酸素と糖(栄養)を作るはたらきなので、原料となる植物が光合成をすることで、製品を燃焼した際に発生した二酸化炭素を相殺できるということです。

 

バイオマスプラスチックってどうやってつくられるの??

バイオマスプラスチックを使うことで起こる炭素循環についてお話をさせていただきましたが、そもそも「植物からプラスチックって、どうやって作っているの??」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。何だか難しい話にも思えるかもしれませんが、中学・高校で習った化学式を思い浮かべながら考えると、「おお!なるほど!」と納得ができて面白かったので、紹介させていただきます。

今回は、バイオマスプラスチックのひとつである「バイオポリエチレン」を例に挙げてバイオマスプラスチックの生成の仕組みを詳しくご説明していきたいと思います。

まず、原料となるトウモロコシ・サトウキビなどの植物資源(バイオマス)から糖を抽出し、アルコール発酵させることで、エタノールと二酸化炭素に分解します。

 

ここで発生したエタノールを高温で熱することで、分子内で脱水させて、エチレンを生成します。

 

このエチレンをつなげるとポリエチレン(プラスチックの原料)となり、バイオマスポリエチレンができあがるのです! 植物からプラスチックを作る、と聞くとあまり想像がつきませんが、仕組みを知ると納得ができて面白いですよね!



バイオマスプラスチックを使ったボタン

最後に、環境にやさしい、まさにサスティナブルな素材!バイオマスプラスチックを使ったボタンを紹介します。バイオマスプラスチックといってもさまざまな種類があるので、今回は4種類をご紹介します。

バイオナイロン

バイオポリエステル

写真のような貝調ボタンも作成可能で、シャツボタンとしても人気です。

バイオポリエチレン

バイオユリア

写真のようなナット調のボタンも作成できます。

 



 

 

いかがでしたでしょうか?

今回は、「バイオマスプラスチックとは?」という基本の部分からお話をしましたが、仕組みを知った上でバイオマスプラスチック製品を使うと、サスティナブルな社会づくりに貢献できている感じがして、なんだか嬉しくなります。

皆さまもぜひ、バイオマスプラスチックなどサスティナブルを意識した付属を取り入れてみてください!

最後までお読みいただいありがとうございました!

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Yuka Nozaki

営業2部1課
スポーツファッションサポーターの野崎です。
2018年新卒で入社しました。
お客様に、ものづくりがもっと楽しくなるような、付属の魅力を伝えられる営業になれるよう、日々勉強をしております。
休日は絵を描いたりやピアノをして過ごしていて、自分自身も何かを作ることが大好きです。皆さまのお役に立てるよう、精一杯頑張ります!
どうぞよろしくお願い致します!
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