水を使わない染色方法!超臨界二酸化炭素で染めるファスナー「ECO-DYE」のご紹介
こんにちは!
スポーツファッションサポーターの野崎です。
今回は、「サスティナブル」な資材のご紹介!ということで、前回に引き続き、サスティナブルなYKKファスナーのご紹介をさせていただきます。
前回の記事はこちら↓
※今回ご紹介するECO-DYEは、展示会で参考展示されていたもので、実用化に向けて研究がすすめられています。
これから当たり前のように使える時代がくるかもしれない!ということで、販売は未だしていませんが、技術をご紹介させていただきます。
ECO-DYE
ECO-DYEとは、ほとんど水を使わずにファスナーを染色する技術です。染色に水を使わないことで、廃水を出さず環境に優しい点が特徴です。
人口の増加もあり、1人あたりの水の量が減っている今、未来へこの環境を持続させていくためには水を大切に使っていく必要があります。
そういった観点からも、人にやさしく、環境にもやさしい、まさにサスティナブルな社会づくりに貢献できるファスナーです!
具体的にどのような技術なの?
通常のファスナーの染色方法
通常のファスナー染色方法は、繊維に染料を入れて洗浄、最後に乾燥させます。
この場合、染色と洗浄の過程に水や薬品が使われており、着色廃水が生まれてしまいます。また、水を使った後に乾燥させる必要があるため、そこで熱エネルギーも使うことになります。
ECO-DYEの染色方法
それに対しECO-DYEは水や薬品、熱エネルギーは一切使わずに染色をすることが出来ます。
使うのは、染料と二酸化炭素です。
ECO-DYEは、二酸化炭素を超臨界流体(気体からさらに圧力や温度を上げて臨界点に達したもので、気体のような高い拡散性と、液体に近い密度を持った状態)にして、染料を入れていきます。
超臨界二酸化炭素は疎水性で、化学的に不活性(極性が無い状態)なので、有機物を分解することなく、疎水性の高分子を膨張させ、低分子を溶解させることができます。
その性質を使い、ファスナーの素材であるポリエステルなどの疎水性合成繊維を膨張させ、分散染料、油溶性染料、バット染料などの染料を溶解させることで、染料を繊維内に拡散させて染色します。
水を使った染色方法と比較をすると、超臨界二酸化炭素への染料の溶解度は小さいのですが、染料の拡散係数が10倍~100倍(※120℃の場合)と大きいため、溶けた染料が有効に繊維に分配され、高濃度に染色ができます。
2016年には、グッドデザイン賞を受賞しています!(YKK公式HPの「ECO-DYE」紹介)
まとめ
今回は、サスティナブルな資材としてYKKのファスナー染色技術「ECO-DYE」をご紹介させていただきました。
仕組みを知っていくと、超臨界流体を使った染色方法はファスナー以外にも合成繊維なら活かせるのではないか?という気がしますよね。
アパレル業界でサスティナブルが話題になっている今のうちにこういった技術が広まり、持続可能なものづくりが「一時の流行」ではなく「当たり前」になっていけば良いなと感じます。
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お読みいただきありがとうございました!
Yuka Nozaki
2018年新卒で入社しました。
お客様に、ものづくりがもっと楽しくなるような、付属の魅力を伝えられる営業になれるよう、日々勉強をしております。
休日は絵を描いたりやピアノをして過ごしていて、自分自身も何かを作ることが大好きです。皆さまのお役に立てるよう、精一杯頑張ります!
どうぞよろしくお願い致します!
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