ライン入りのリブってどうやって発注するの?編み立てリブの発注方法
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最終更新日:2020/06/10
今さら聞けないファッション資材のこと, 付属のこと, リブのこと
こんにちは!スポーツファッションサポーターの平野です。
緊急事態宣言が解除されてひと安心ですね。でも油断せず、手洗い等のウイルス対策は継続していきましょう!
さて、本日は先週に引き続きリブ(横編み)についてです。先週は在庫している流しのものを紹介しました。今回は、糸・組織等を選んで作成する編み立てのリブについて、その発注手順をご紹介します。流しでは表現できないライン入りのリブやポロ衿はこの編み立てでないと作れません。ライン入りリブ、ポロ衿を作りたい方、必見です!
リブについては先週のブログと重なるので割愛させていただきます。リブについては過去のこちらのブログを参照ください。
糸の種類を決める
まずはリブにつかう糸を選ぶ訳ですが、それぞれ糸の素材により仕上がりの風合いが違ってきます。それぞれ糸の素材による特徴をご紹介します。
綿糸
綿糸は肌さわり・風合いがソフトで、吸水性に優れています。綿繊維の太さは「綿番手」で表します。20番手→30番手→40番手の順に細くなります。番手が細くなるにつれて、風合いも柔らかくないリブ表面もきめ細かな仕上がりになります。20番手の太番手を使って、しっかりとしたリブにしたり、80番手の細番手でしなやかなリブに仕上げたりできます。
T/C糸(綿+ポリエステル)
T/Cとは綿とポリエステルの混紡糸です。通気性と速乾性に優れ、シワになりにくいポリエステルと、肌触りと質感が魅力の綿の特徴を併せ持つ、機能性とファッション性の両方に優れた糸です。耐久性も綿糸に比べると上がります。見た目は綿糸とほとんど変わりません。
ポリエステル糸
ポリエステル糸はシワになりにくく、シワになっても回復が早い素材です。 日光に強く、耐光性にも優れます。 綿と反対で吸湿性、吸水性が低いため、乾きが早い特徴を持ちます。ポリエステル特有のサラサラした肌触りです。スポーツウェアに多く使用されます。
変わったものだと光沢のある糸(ブライト糸)もあります(下2枚目写真)。
A/W糸(アクリル+ウール)
アクリルはウールの風合いに良く似ており、合成繊維の高い強度・耐久性があります。ウールの暖かみのある風合いを損なわず、耐久性を持たせたのが特徴です。編みあがりの風合いもボリューム感があり、ざっくりとした組織で仕上げる事が可能です。ウールの暖かみがあるので特に秋/冬衣料に使用されます。
主な糸の種類はこんな感じです。何の糸を選べばよいか分からない・・・という方は、表生地の素材と合わせるといいですよ!表生地がポリエステルならリブもポリエステル。綿ならリブも綿。素材が一緒だと製品としてリブが馴染みやすいです。
次に組織を決めていきます。
組織を決める(ゲージ数・編地・糸本数・柄)
ゲージ数を決める(編み目の密度)
編み目の密度はゲージ(G)で表され、1インチの間に10本の針が並んでいれば10Gと表します。一般的によく使われるのは7Gから18Gまであり、ゲージ数が小さいとざっくりと太い編目(ローゲージ)になり、ゲージ数が大きいほど細かい編み目(ハイゲージ)になります。
7Gは厚みもありざっくりとしたリブに、16Gは薄く表面はツルっとしたリブに仕上がります。一般的にローゲージのリブは秋冬もののブルゾンなどに使われ、ハイゲージのリブは軽量のスポーツウェア、ポロ衿に使われます。
編地を決める
大きく分けて総針と針抜きの2種類があります。
総針は針抜きを行わず表面がフラットで凹凸が無いリブの編地です。ポロ衿やスポーツウェアによく使用されています。
逆に針抜きは編み機に並んでいる針を1本おきに抜いたり、2本抜いたりします。下の写真は、針抜きでよく使われる「2×1編地」の針抜き画像です。針を2本中1本抜いて編立てます。針を抜いた箇所が畔(あぜ)になり表面が凸凹に仕上がります。編地が凸凹になっているので、総針に比べると伸縮性があります。他にも3×2などもあります。
糸の取り本数を決める
糸の取り本数は薄くしたい場合は本数を少なくし、厚くしたい場合は本数を増やします(ゲージ数、糸の太さを考慮して決めます)。また、袖や裾など伸縮性を要するリブにはゴム糸を入れることもよく行います。ブルゾンの袖や裾、スウェットパンツの裾はゴム糸を入れ、伸び・キックバックがよくします。
柄を決める
無地であれば指示不要ですが、配色でラインを入れてデザインにすることが可能です。ロゴを編地で表現することも可能で、その場合はジャガード編みをします。
仕様を決める(色・サイズ)
色を決める
それぞれの糸のサンプル帳から色をお選びください。ロットは掛かりますが別注色も作成可能です。
サイズを決める
編み立てるパーツ毎のサイズを決めます。※縫い代も考慮してサイズを決めてください。
また、縫い込まない辺は編み出し(ほつれない処理)が必要です。ポロ衿の場合は縫い込む1辺以外の3辺は編み出しする必要があります。これをしないとリブの編地が徐々にほつれてしまうので、要注意です。
リブの編み立ての発注手順は以上です。決める事が多く大変だな・・・と感じるかと思いますが、慣れてしまうと意外に簡単なものです。流しのリブに比べ、編み立てはロスもなく、ラインやロゴを入れたりとオリジナル性の高いリブ作ることができます。サンプル帳にある糸を使うとミニマムロットもなく、編み立てることが可能ですので、チャレンジしてみてください(サンプルや小ロットの場合、別途費用が掛かることもあります)。
ではでは~。
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【お知らせ】
今回紹介したリブ・横付属の基礎知識、発注方法を6月の付属の勉強会で説明します。今回の付属の勉強会はオンライン(Zoom)で行います。
日時:2020年6月25日(木)17:00-18:00
参加費:無料
参加方法:下記のURLから申し込みをしてください。
*申し込まれた方にZoomのURLをお送りします。参加する前にZoomのダウンロードをお願いします。
平野建司
ゴルフアパレルを中心に担当させて頂いております。
入社し10年以上経ちましたが、洋服や副資材についてまだまだ勉強の日々です。
明るく楽しくをモットーに安心・安全な最新資材をご提供できるよう頑張ります!!
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