次世代繊維原料セルロースナノファイバーとは?

 

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コケッコ~で明けた2017年1月も早くも半ば、1年が早い!そして寒い~。 20代の頃は冬でもサンダル履きで過ごしておりましたが…年齢とともに寒さが苦手になり、12月以降、ナノパフフーディーを2枚重ね着用したのがやめられません!温泉とお湯割りが恋しい~テキスタイル担当です。

 

今年はどうなる…

昨年はファッションの業界全体に逆風の年でしたが、木枯らしが吹いて木の葉が全て落ちたあとには桜もコブシもしっかり花芽をつけています。ここに来てファッションメーカーでも素材から物作りをするような中小のメーカーさんが元気です。ひと昔前は生地等を別注で生産する際にはロット条件等のハードルが高かったのですが、昨今では機屋さんや染工所でも小ロットの物づくりがかなり自由にできるよう変化してきたことに加えて技術の進歩で個人や小さなメーカーと企業との境目がどんどん無くなってゆくようなボーダーレス化が進んでいく気がします。

 

樹木原料由来、鋼鉄の5倍の強度とコスト競争力

さて話はファッションからは離れますが、今注目の繊維!次世代素材セルロースナノファイバーを御存知ですか?セルロースナノファイバーは樹木などの植物原料から得られるセルロース繊維をナノレベルまで細かくほぐすことで得られCNFやCNC等と呼ばれています。まだ国際的な正式名称が決まっていない次世代素材ですが強度は鋼鉄の5倍、熱に強く、プラスチックよりも軽くてガラスのように透明な素材で自動車や航空機の部材、住宅建材、有機ELディスプレー、医療用途、食品、化粧品、成型材料・フィルター等々あらゆる分野での利用が見込まれています。しかも炭素繊維(カーボンファイバー)に比べて大幅なコストダウンも期待ができる、森林資源の豊富な日本にとってもまさに夢の原料となる可能性の大きい素材です。

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(図は京都大学生存圏研究所 生物機能材料分野さんのHPの物です。http://www.rish.kyoto-u.ac.jp/labm/cnf )

繊維産業の過去と現在

江戸時代になって経済が安定する以前、日本人の大半は麻(大麻や苧麻)や葛布などの植物から糸を積んで衣服としてきました、江戸時代中期以前の庶民は綿さえも手にすることが出来なかったことを思うと、現在のように安く温かい衣料品が手に入らなければ私などは今年の冬も越せない気がしますが…(笑)。産業革命以後の科学技術の発展が私たちの生活を快適にしてくれる一方で、使い捨てにされるような安価な衣料品を大量に作るために貧しい地域の人々が劣悪な環境で低賃金の重労働を強いられたり、大量の農薬や化学肥料の散布による環境破壊が続けられていることも忘れないようにしたいです。

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これからのファッションキーワード

最近ではオーガニック・フェアトレード・エシカル・リユース等々の言葉を耳にする機会も増えてきましたが、これらの言葉の持つ意味についても考えながら新たな一年をすごしていきたいなぁ~と一寸だけ思ったテキスタイル担当の瀧澤でした。

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では~

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TAKIZAWA

テキスタイル課 課長株式会社クロップオザキ
テキスタイル担当のTAKIZAWAです。
生地のことなら何でもお聞きください。趣味がトレッキングや山登りなので、アウトドアウェアにもちょっとだけ詳しいです。「テキスタイルコラム-Textileから見た世界」を担当しています。私のミッションは失われつつある美しい地球環境を500年後の子孫に残すこと…誇大妄想Innovatorです(笑)

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