タックボタンとリベットを打つ前に4つの知っておきたいこと
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最終更新日:2018/12/04
ネットショップのこと, 付属のこと, 金属付属のこと, クレームのこと
梅雨入りしましたが、東京はあまり雨が降りませんね。空梅雨だと気分的にはいいですが、水不足が心配です。
実は、その季節ごとに季節らしい天気になる方がファッション業界として嬉しいのです。夏は暑く、冬は寒い。梅雨もちゃんと雨が降る。雨は雨でレイニーファッションが楽しめますからね。
さて、今回ご紹介するのは前回の続きでクレームを起こさないための付属選び~その2~です。前回はドットボタンのことをお話しました(前回のお話はこちらをクリック)。今回はドットボタンと同じように機械を使って打ち込むタックボタンとリベットについてお話します。タックボタンとリベットは、ドットボタンと似ていますが、ドットが4つのパーツからできているのに対し、タックボタンとリベットは2つのパーツからなっています。まずは、タックボタンとリベットの説明から入ります。
タックボタンとリベットとは?
タックボタンとはジーンズのフロントボタンによく使われている金属のボタンです。このタックボタンは糸で縫い付けるのではなく、上下のパーツに分かれていて、機械で打ち込みます。ジーンズは元々ワーキングパンツですので、簡単に取れないようにこういうボタンを使っています。
リベットはジーンズのポケットの端に打ち付けてある鋲です。これも上下2つのパーツからできています。しかし、リベットはボタンの役目ではなく、生地や縫い目が切れないように力の掛かるところに補強する役目で打たれます。リベットの代わりにカンヌキ(縫い)で済ませるものもあります。
タックボタンとリベットを付ける時の4つの注意点
①薄い生地に打つ ⇒ 抜け、浮き
ドットボタンと同じく、薄い生地に打つ場合は要注意です。タックボタンだと力が掛かって使っている内に生地が切れてボタンが取れてしまう可能性があります。リベットだと足の長さと合っていないと浮いてしまい、指などを引掛け、ケガすることもあります。薄い生地の場合は、短い足にしてパッキンも入れましょう。それでもダメな場合は仕様を変更して、糸付けのボタンやカンヌキで対応しましょう。
②厚い生地に打つ ⇒ はずれ
厚い生地に打つケースはタックボタン、リベットの場合は多いです。ここで注意するのがしっかり足が届いているかということです。不十分だと上下のパーツが外れてしまいます。テストを打ちをして足の長さを試し、最適なものを使用しましょう。
③伸びる生地に打つ ⇒ 抜け
これもドットボタンと同じですが、生地に穴を開けて打ち込みますので、生地が伸びると穴が広がりボタン自体が抜けてしまう可能性があります。カットソーやストレッチ性のある生地に打つ場合は、打つ場所に芯を貼って伸びを止めましょう。
④段差に打つ ⇒ はずれ・浮き
リベットを打つ時によくあることですが、リベットはポケットの端に打ちます。打つ場所が少しずれると段差がある場所になってしまいます。段差のある場所に打つとリベットが斜めになってしまい、はずれや浮きの原因になります。浮きはケガをしてしまうこともあるのでよく注意しないといけません。段差に打たないように工場にしっかり指示をする必要があります。
まとめ
ドットボタン同様、タックボタンとリベットは機械を使って打ち込むので、糸で縫い付けているものより、生地との相性で問題が起こることが多いです。事前に問題を防ぐには、使用する生地に試し打ちをすることをお薦めします。また、上記以外の原因で、機械の調整がよくないとか打ち駒が合っていないという工場側の原因も考えられます。そういう際には私たちのような資材屋に聞いてください。私たちもお客さまの展示会に行ったときには必ずチェックするポイントです。
詳しいことをお聞きになりたい方はこちらからお問い合わせください。
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尾崎博之

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