ドットボタンを使う際に注意すべき3つの生地
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最終更新日:2018/12/04
今さら聞けないファッション資材のこと, ボタンのこと, 付属のこと
こんにちは。社長の尾崎です。
秋晴れの天気が続き気持ちがいいですね。
先週は上海で行われたインターテックス上海に行って来ました。今年から新しい会場になり、虹橋空港の近くでとても便利になりました。会場は外からの見た目にはあまりわからないのですが、とてつもなく大きく、幕張メッセの7倍の展示スペースがあります。大きな国はスケールが違いますね。
さて、今日のお話は「ドットボタンを使う際に注意すべき3つの生地」ということで紹介いたします。これはドットボタンに限らず、機械を使って2つのパーツを打ち付けるタックボタン、リベット、ハトメなども同じことが言えます。気をつけないとボタンが取れてしまったり、生地が破けてしまったり、と消費者クレームになることがあります。
ドットボタンの特徴
ドットボタンは上下4つのパーツから成り、生地を間に挟み、ドットボタンの2つを生地に穴を開けて打ち付けます。また、ドットボタンは頻繁にパチパチ取り外しをするので、力が加わります。この特徴に向かない生地は次ぎの通りです。
1.薄い生地
ダウンジャケットなどに使う高密度タフタやシャツ地に使うような薄い生地にドットボタンを打つ場合は要注意です。着脱時に生地が引っ張られ、破れてしまうことがあります。また、ドットボタンの足の長さが打つ場所の生地の厚みより長くなり、ドットがボタンが浮いてしまうこともあります。浮いてしまうと生地を傷めたり、手を引っ掛けて怪我をしてしまうこともあります。薄くても、ダウンジャケットのように何層にも生地を噛ませダウンや芯が間に入る場合は大丈夫です。
2.伸びる生地
Tシャツのようなカットソーの生地やニットの生地は伸縮性があります。このような生地は、ドットボタンを打った際にできた穴が広がってしまい、抜けてしまうこと多々あります。
3.厚すぎる生地
生地単体で厚すぎることはあまりないですが、ドットボタンを打つ場合、2-3層にはなるのでそれで厚くなってしまうことがあります。ドットボタンを打つ部分が厚くなりすぎると、ドットボタンの足が対のパーツに届かず、きっちりかしまらなくなります。そのような状態だとドットボタンを着脱している内に取れてしまいます。シープボアのような生地は要注意です。
4.隠しドットの仕様
隠しドットと言って、キャップが表に出てこない仕様があります。この場合、生地が1枚しかない薄い場所に打つことがあります。この仕様は薄い生地に打つのと同じような状況になりますので、要注意です。
対策は?
薄い生地の場合は、パッキンと言って人為的に厚みを持たせるパーツがあります。これを挟みます。さらに芯地を貼って厚みを持たせるのも有効です。
伸びる生地の場合は、はっきり言うとドットボタンやハトメの仕様は止めた方がいいです。対策としては、パッキンを挟み、伸びない芯地を貼り、伸びを止める。そして、打つ場所を囲うように四角くステッチを入れるといいです。ニットの前立てなどは、伸びないテープをたたき、その上に打ちます。
厚い生地の場合は、対策はないのでドットボタンの仕様を止め、ボタンやファスナーの仕様に変更することをオススメします。
隠しドットの場合は、パッキンを通常は下のパーツにしか入れないところ、上のパーツにも入れます。
いずれにせよ、サンプル作成時、ドットボタンの具合を確かめることが肝要です。試し打ちテストも可能なので、量産に入る前に確認をしてください。
まとめ
ドットボタンなどの生地に穴を開けて打ち込むパーツはトラブルになりやすい資材の一つです。どれが良くて悪いのか、わからないケースも多いと思いますので、付属業者の営業にお問合せください。
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尾崎博之
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