ナットボタンってどんな特徴 ~今さら聞けないファッション資材辞典~

こんにちは。社長の尾崎です。

8月の最終週はほとんど太陽を見ていませんね。気温も上がらず、東京は最高気温が25度に届かない日が多いです。こんな8月も今まで経験したことがないような・・・。8月はもう少し夏っぽい天気がいいですね。(暑すぎると文句言いますが)

 

さて、今日のお話は「今さら聞けない」シリーズのナットボタン編をお伝えします。ナットボタンはタグワ椰子という椰子の実の種を原料にした天然素材のボタンです。水牛ボタンに次ぐ、高級天然素材ボタンとして、コート、スーツ、ジャケット、パンツ、シャツに幅広く使われています。今回はこのナットボタンを掘り下げてみましょう!

 

ナットボタンとは?

先ほども述べましたが、ナットボタンは南米のエクアドル原産の、「タグワ椰子」という椰子の実の種が原料です。原料の種の部分は鶏の卵を一回り大きくしたような大きさで、外側は茶褐色、内側は乳白色をしています。この内側の乳白色の部分を輪切りにして、加工することでボタンが出来上がります。
原料である素材が乳白色をしていることから、アイボリーナットとも呼ばれています。

 

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ナットボタン(ツヤ)

 

ナットボタンの色は?

ナットボタンの元の色はすべて乳白色ですが、後染めで染色することも出来ます。
レディースでは身生地に同色に染めて使うことも多々あります。
また、染色前はあまり目立たないのですが、染色することで表面に若干の色の濃淡が出て、年輪のような渦模様が見られます。この模様がナットボタンの特徴で、この模様によって天然ならではの温かみや柔らかな雰囲気の味を感じます。(実際はとても硬い素材ですが)。
また、ナットボタンを薄く染めると、経時変化で色が濃く変化していきます。その変化を味わうのも、ナットボタンの魅力です。

 

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ナットボタン(ケシ)

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ナットボタン

 

ナットボタンの取り扱い注意は?

先ほども申し上げましたが、ナットボタンは後から染めて色を付けています。そのため、配色使い(身生地と反対色のボタン)や身生地より濃い色のボタンを付けると、ボタンの色が落ちて、生地に付いてしまう可能性があります。
特に濡れたまま放置していると色移りが起こりやすくなりますので、ご使用の際は濡れたまま放置しないように注意書きを付けることをおすすめしています。
また、配色使いや身生地より濃い色のボタンを付けたい場合は、ナット調のプラスチックボタン(ポリエステルやユリア樹脂)の使用をお勧めします。
本物のナットボタンよりも高級感や天然の素材の温かみには欠けますが、安価で取扱いも簡単です。最近のプラスチックボタンはよく出来ているので、素人目には本物と見分けがつきません。

 

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ナット調ポリエステルボタン

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ナット調ユリア樹脂ボタン

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ナット調ユリア樹脂ボタン

 

まとめ

ナットボタンは流行に左右されず、常に人気のある天然素材ボタンです。自然にも優しい素材であり、エコフレンドリーの観点からも注目される素材のボタンです。但し、後染色をして色を付けているので、その点だけ注意してご使用ください。

 

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2011年より株式会社クロップオザキの社長をやっています尾崎博之です。ファッション資材が大好きで、洋服を見るとまずファスナーやボタンに目が行ってしまいます!お客さまのお役に立つ情報を発信していきます!!

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