ファスナーのコードってなに?YKKファスナーの発注方法を徹底解説!

公開日: : 最終更新日:2020/04/15 ファスナーのこと

こんにちは。クロップオザキの片山と申します。

今回は、ファスナーの基礎知識として、発注の際に必要となる基本的なコードについてお話をさせていただきます。※日本のファスナー市場は90%以上のシェアをYKKが占めており、今回ご説明するファスナーは「YKKファスナー」についてです。

今回は例としてこちらのコードを使ってご説明をさせていただきます。

YKKファスナー発注コード分析!

エレメントの大きさ

コードの初めの数字はファスナーのエレメントと言われる歯(務歯)の部分のサイズを表しています。エレメントのサイズは数字が小さいほど、一つひとつのエレメントが小さくなります。エレメントのサイズは一般的にNO.3~NO.10まで5種類ほどあります(ただし、エレメントの種類によって、そのサイズが無かったり、数字が違ったりするものがあります)。エレメントのサイズを選びは、デザイン性・使用用途によって選び方が変わります。デザイン的要素と機能面のどちらも考えながら選びます。例えば、ライダースのようなレザージャケットの場合、金属の太いファスナーを使用したい(デザイン面)。そして、細いエレメントとだと生地の重みに耐えられないので、太いエレメントを選ぶ(機能面)。

エクセラ サイズ展開(例)



エレメントの種類

数字の次のアルファベットはエレメントの種類(素材)を表しています。大きく分けて3つあり、金属、ビスロン、コイルです。それぞれの違いをご説明致します。

金属ファスナーはエレメントが金属でできています。その中でも合金、丹銅、洋白と素材により色や風合いが違います。

コイルファスナーはエレメントがコイル状(樹脂製)になっているファスナーです。金属ファスナーやビスロンファスナーに比べ、柔軟性があります。

ビスロンは、エレメントをテープに射出成型したプラスチックファスナーです。樹脂製の為、同サイズの金属ファスナーに比べ軽量です。

デザイン、作るアイテム、生地の種類や厚さとの相性を考えて選びます。

例の場合「VS」というコードが使われていますが、このコードはビスロンのスタンダードファスナーのコードです。コードは、YKKファスニング専科に掲載されています。

(WEB版ファスニング専科はこちら

YKKファスニング専科より

 

 製品区分(エンド部分)

次のコードはファスナーのエンド部分を表しています。エンド部分には、止(製品区分:C)、開(製品区分:OR、OL)、逆開(製品区分:MR・ML)があります。ブルゾンのフロントならオープンエンド(開・逆開)で、ポケットやパンツのフロントエンドに使うならクローズエンド(止)です。

「開」(製品区分:OR、OL)は左右に分離することが出来るファスナーです。主に上着などの前立てに使用されます。正式なYKKの品番で言うとORは右差し、OLは左差しになります。逆開は「開」の一種でありますが、スライダーと言われる引手が2つ付き、上のスライダーは「開」ファスナーと同じ機能ですが、下のスライダーを上げると下からファスナーが開きます。ブルゾンに機能的、デザイン的に使われます、

YKKファスニング専科より

オープン製品(開、逆開)を通常何も指示しないで発注すると日本では右利きが多いので右差し、一方で海外では左差しが出てきます。左差しが欲しい場合は、「左差し」と指示いただければ左差しをこちらで注文します。

例のコードの場合は、「C」が使われているので、CLOSE(止め)のエンドになります。



スライダー

製品区分の次のアルファベットはスライダーを表します。スライダーは、ファスナーを開け閉めするために引手のことで、ファスナーの種類によって使える物が決まっています。YKKのコードでは、スライダーの型番の2桁目がロック機能を表しています。2桁目がA、N、Sはロック機能があります。パンツのフロントなどにはロック機能が付いたファスナーを使う必要があります。Fはロック機能が無いのでオープン使いやフロント使いには不向きです。ロック機能が無いものは、左右に引っ張ると下がってきてしまうため、洋服にはあまり使用しません(左右に力の加わらないポケットなどは使用可)。スライダーを選ぶ際は、形状よりも何よりこのロック機能のチェックをお願いします。

YKKスライダーカタログより (例)スライダー(このページはすべて2桁目Aなのでオートマチックロック機能付き)

今回の例では「DA」なので、上記の形のスライダーになります。ロック機能は2桁目が「A」なのでオートマチックロック=スライダーを引っ張るとロックが解除される機能がついています。

テープカラー

次に表示されているのがファスナーのテープカラーです。このファスナーのテープカラーは582色あります。YKKのファスナーカラーガードから選びますが、テープカラーを身生地の色に合わせるのか配色にするのかどうかはデザイン性で決めます。色によっては納期が掛かるものもあるので詳しくは弊社営業までお問合せください。

今回の例ではC/#580なので、ブラックとなります。

寸法

そして、最後に表しているのが寸法です(単位はcm)。ファスナー寸は欲しい長さを指定します。ファスナーの製品寸法は、ファスナーを閉じた状態で、スライダーの先からから止め具がある所までを測ります。

YKKファスニング専科より

 



まとめ

ファスナーの発注をする際のコードを説明させていただきました。種類の部分やスライダーはコードを書ききれないため、詳しくはYKKのHPを参照ください。カタログもダウンロード可能です(こちらをクリック)。コードからもお分かりのようにファスナーはいくつもの選択肢の組み合わせからなっています。それなので基本的に受注生産です。発注時期、数量、タイミングにもよりますが、生産が混んでいると時間が掛かります。また、発注したい内容が全て決まっていないと注文ができません。多くの方にご理解いただいていますが、ファスナーは時間が掛かるものとの認識をお持ちいただき、サンプルで2週間、量産で1ヶ月ほど掛かると考えてください。スライダーのロック機能などに注意していただき、早めの発注をしていただけると助かります。不明点は弊社営業、もしくは下記のお問い合わせフォームからお問い合わせください。

お問い合わせこちらから

 

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片山 大輔

スポーツファッション担当の片山と申します。
2019年に入社致しました。
多くの知識を身に付け、お客様に役立つ情報を
発信・提供出来るよう日々勉強しております。
宜しくお願い致します。

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