インドの手紡ぎ手織りの生地、カディコットン

自然の中を歩いているとついつい色々なものを収穫してしまうテキスタイル担当の瀧澤です。

山菜などの食べられる野草やキノコはまだしも食べられない木の実でも“染料になる”などと理由を付けて取って来るのはきっと狩猟採取民族の血ですね。先日はめずらしく海へ、流木・シーグラス等を収集して、またガラクタが増えました。

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コレクションしたくなるカディストール

 

ところで手織りやハンドプリントの生地も思わず収集したくなるのは私だけ(笑)? とは言え国内の手仕事のテキスタイルはもはや伝統工芸品で手が届きませんが・・インドで手紡ぎ手織りされているKHADI(カディー)のストールや生地はその熟練した職人による繊細な手仕事にもかかわらず身近において身に纏う事が出来る素晴らしい織物。手で紡いだ綿糸を手織りして得られるカディは一枚一枚微妙に表情が違っていて個性的です。

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 カディー(KHADI)とは

今から3000年ほど昔に編纂されたバラモン教の聖典ヴェーダにもインドの手紡ぎ器の記述があるそうですが、有名なガンジーの肖像画に描かれた糸車はチャルカと呼ばれインドの独立運動と共に広がり定着して行きました。糸を紡ぐ工程から染色そして地機による製織とすべてが手作業で作られるカディは、別名THE FABRIC OF FREEDOMとも呼ばれるとても稀少な美しい布です。

 

変化するカディの生産スタイル

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ところで現在のインドでは大きく分けて2種類のチャルカが使用されています。ひとつは先述した大きな弾み車を持った伝統的なチャルカ、そしてもう一つはアンバーチャルカと呼ばれる機械式の紡績機を手で回して糸を紡ぐ方法です。伝統的なチャルカでは比較的太い番手の糸を、細い糸はアンバーチャルカで紡がれています。また一部ではアンバーチャルカをモーターで回して糸を生産しているところもあるようでこうなるともう手紡ぎとはいえませんね?インドも急速な経済発展に伴い次第に効率を優先した生産方法が広がって行くのでしょうか。そんな訳で本来の伝統的なチャルカによって手紡ぎされた糸を経緯に使用したカディは今後、より稀少で手の届き難い布になってしまうのかもしれません。

 

弊社でもカディの生地を取り扱っています。チェック・ストライプ等の柄物の別注オーダーも100mからお受けしています。お問い合わせはコチラまで~♪

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TAKIZAWA

テキスタイル課 課長株式会社クロップオザキ
テキスタイル担当のTAKIZAWAです。
生地のことなら何でもお聞きください。趣味がトレッキングや山登りなので、アウトドアウェアにもちょっとだけ詳しいです。「テキスタイルコラム-Textileから見た世界」を担当しています。私のミッションは失われつつある美しい地球環境を500年後の子孫に残すこと…誇大妄想Innovatorです(笑)

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