ハンドメイドの方必見!世界一簡単なファスナーの詰め加工の紹介

こんにちは。カジュアルファッションサポーターの吉澤(A)です。

今年も早いものでもう9月ですね。2020年もあと3か月となって参りました。振り返れば今年は何と言ってもコロナウィルスが猛威を振るい、多くのイベントが中止になりました。

皆様それぞれ辛い思い、寂しい思いをされてきたかと思います。目の前にあるささやかな人生の機微を大事に、何事にも前向きに取り組んでいければと存じます。そして、一日も早い収束を願うばかりです。

さて、本日ご紹介させていただくのは「ファスナーの詰め加工」についてです。序盤にファスナーの基本の説明をさせていただておりますが、ご存知の方は『★★★実践!ファスナーの詰め加工★★★』 からご覧ください。

※詰め加工:長さの長いファスナーを短くする加工(例80cm→60cm)。逆はできません。

※今回ご紹介するのはYKKファスナーについての話となります。

ファスナーの“詰め”加工とは?

ファスナーには2種類の手配手段がある!?ー

ファスナーを発注する際に手配方法は大きく分けて2つございます。一つは工場手配、二つ目は加工手配となります。工場手配はご希望のファスナーをYKKの工場で受注生産する手配方法で、納期が加工手配より掛かります。一方、加工手配はYKKの代理店が在庫しているファスナーを利用し、長さを調整(短く)する詰め加工を行う手配方法で、短納期で上げる方法です。工場手配の場合は無駄が生じないため単価を一番を抑えた手配手段となりますが、比較的長納期となります。逆に加工手配は早く上がる分、長いものから短くするので長いファスナーの分の単価と加工賃がかかるため高額になります。詰め加工が必要となるのは加工手配での場合となります。

希望のコストによって変わる手配方法

納期を優先するか、コストを抑えるためファスナーを早く発注するかは、お客様のその時々の状況に応じて適切な手配方法を提案をしています。基本的に「ファスナー加工」と言われるのは、長いファスナーを希望の長さに詰め加工となります。他にもエンドをオープン仕様から止め仕様に変更する止め加工やテープ状のファスナー(チェーン)をカットして止め製品を作るチェーン加工などもあります。こういったファスナーの加工は納期がなく、オーダー本数が多くない、サンプル作成や展示会用などがほとんどになります。ファスナー加工を要する加工手配は、人の手が加わるのでやはり単価がどうしても高くなってしまいます。もし納期に余裕があれば、YKK工場手配されることを推奨します。とはいっても、中々うまく行かないものですが(笑)

詰め加工についての説明に移る前におおまかなファスナーの種類について説明します。

ファスナーの種類について

ファスナーの種類

ファスナーには大きく分けて、金属ファスナーと樹脂ファスナー(コイルファスナー/ビスロンファスナー)がございます。今回それぞれの特徴を挙げながら加工方法について紹介します。

金属ファスナー

金属ファスナーはエレメント(務歯)と言われるファスナテープの植え付けられている歯の部分が金属製のものです。ブルゾンやパンツ、バッグ、小物など用途が多岐に渡ります。高級ファスナーではエレメントに磨きを掛けたエクセラなどがあります。エクセラの手に取った時の重厚さ、滑らかな滑り、エレメントの美しさは、さすが世界のYKKといったところでしょうか。

 

一般的な金属ファスナー
エクセラファスナー

樹脂ファスナー(コイルファスナー/ビスロンファスナー)

樹脂ファスナーには大きく分けてコイルファスナービスロンファスナーがございます。

コイルファスナーの中にはコンシールや、止水ファスナー、エフロンファスナーなどがあり、特長としてはエレメントの部分が樹脂製のコイル状になっています。そのため、しなやかで軽量です。その軽量さとしなやかさからスポーツウェアなどによく使われています。

コイルファスナー

ビスロンファスナーはエレメントが射出成型されたプラスチックのファスナーです。同じ樹脂ファスナーのコイルと比べて、ひとつ一つのエレメントが大きく、表出しているのが特長のファスナーです。金属ファスナーでは重たいけれど、コイルファスナーでは頼りない時などにビスロンを用いるケースがあります。ワーキングウェアによく使われています。そのエレメントが表面に出ている特長を活かし表面に泊転写を施したメタルックスなどもあります。ほとんど見た目は金属ファスナーなのですが樹脂製なので軽量なのが特徴です。

ビスロンファスナー。上止めが同色の樹脂(I-POM)仕様になっています。
I-POM

★★★実践!ファスナーの詰め加工★★★

さて、前置きが長くなってしまいましたがここからは実際にどのようにファスナーを詰めていくのかご紹介いたします。皆様のお手元にあるファスナーの種類ごとにご覧になられるといいかもしれません。

まずは寸法を決めます。寸法の測定方法はYKKのHPに記載が有りますのでご覧になられてください。

ファスナー寸を図る様子。平置きしてメジャーをセロハンテープで固定し採寸

実際に詰めてみる

では実際に詰めていきます。今回使用する道具は写真右から喰切り(くいきり)、トンカチ、金属台です。写真には写っていないのですがハサミも使用します。

ファスナー詰め加工3種の神器

 

まずファスナーの上部についている上止めを喰切りを使って外します。

コの字状になっており挟み込むようについているのでこの字を開くように外します。

 

上止めを外した後はエレメントを外していきます。エレメントをテープから外す訳ですが、喰切りでテープを傷めないようにエレメントをカットしていきます。うまく外れれば動画のようにスライドして外すことができます。くれぐれも力を入れすぎて指を傷つけないよう十分に気を付けてください。

 

 

エレメントを外すとテープの外した箇所が山のようになっています。もし、この部分がほつれて糸が出てしまっている場合は、その出ている部分を軽くライターで炙って表面を綺麗にしてください。

※オールドアメリカンなどのコットンテープでは焦げてしまうので炙らないでください。

※火の取り扱いには十分気を付けて行ってください。

 

希望の長さにエレメントを外した後は上止めを装着します。

金属ファスナー用上止め

上止めをテープに挟みこみ、トンカチで打って完成!

 

ビスロンにも使える黒い上止めも有ります。
こちらはコイルの上止め

オープンから止め仕様への加工方法

オープンファスナーを止めの仕様に加工することも可能です。その際に下止めパーツが必要になります。4つ足下止めとH下止めがあります。

4つ足下止め
H字下止め

 

今回はH字下止めの加工を紹介します。ファスナーの下止めを打ち込みたい箇所を決めた後、そこから4~5㎝くらい下をハサミでカットします。下止めを止めたい個所からカットしたところまでのエレメントを外します。その際、2-3㎝くらい下でも大丈夫なのですが、あまりギリギリだと縫い代が無くなってしまうため縫い代分を考慮されることをお忘れなく。

エレメントを取った後はH字下止めを入れ込みトンカチで打って完成です。

製品からの加工方法

ファスナーのトラブルで多いのはスライダーの破損かと思われます。(もしスライダーではなくエレメントが欠けてしまった場合は基本的には修復不可となりますのでご注意下さい。)

まずスライダーが破損した場合はそのファスナーの号数、種類に合わせたスライダーを手配し、上止めを外してスライダーを入れます。ブルゾンのフロントファスナーの場合は上止めをはずしてスライダーを入れるだけなので簡単ですがビスロン、コイルファスナーでは上止めがI-POM仕様(テープカラー同色の樹脂)の場合は上止めを外してしまうとI-POM仕様での加工は不可の為、上止めが金属になったり、近い色での金属の上止めになるため注意が必要です。

パンツの場合は務歯を取り、スライダーを取る必要が有りますので若干ファスナーの長さが短くなります。仕様によっては不可となりますので確認を行ったうえでの修理をお勧めいたします。

ブルゾンのファスナー

こんなファスナーは加工は×

通常のファスナーであれば加工はエレメントを外して上止めを付けます。ですが特殊ファスナーなどは加工ができなかったりするものもありますので都度確認が必要です。

例えば金属ファスナーでMZF(インジェクションファスナー)がありますが、こちらは金属のエレメントを射出成型しており、テープに対して穴が開いた状態で付いているためエレメントを取ってしまうとテープに穴が開いてしまいます。詰め加工のできないファスナーです。

終わりに

皆様いかがでしたでしょうか。ファスナーひとつとっても様々な手配方法があったり、加工方法があります。ファスナーの長さの決定というのは私たちがいつも早く出してもらえないかとやきもきするものです。それはファスナーが他の資材に比べ一番納期がかかってしまうためです。しかし、お客様の事情によって寸法が中々決まらなかったり、生産中に寸法が変ってしまったりと一筋縄にはいかないのがファスナー手配の難しさです。日々お客様の要望にお応えすべく腕利きのファスナー詰め加工職人(!?)がクロップオザキにはいますので、ぜひともお声がけください。ハンドメイドの方々の皆様にもわかりやすいように今回はご紹介させていただきました。

(誠に恐れ入りますが、当社卸売りのため、個人のお客様への販売、お問い合わせへの返答は行っておりません。予めご了承下さい。)

レッツエンジョイファスナー加工ライフ!!

お問い合わせはこちらまで

 

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吉澤 斉司

吉澤 斉司

営業1部 部長株式会社クロップオザキ
ファスナーアドバイザー、またの名を「ファスナーめがね」の吉沢です。
尚、クロップオザキには吉沢が二人います。
吉沢Aまたは吉沢斉司(さとし)とご指名下さい。
ファスナーのことなら何でもお聞きください。
得意技はファスナーとドット釦の加工、修理です。
どうぞ宜しくお願いします。

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