マーケティング・新規開発部の保立です。
当社では、学生の皆さまにアパレル業界や服飾資材に興味を持っていただくための活動を積極的に行っています。
今回は、品川女子学院 被服部の皆さまから「文化祭での発表に向けて、洋服の素材を取り扱う会社を訪問してお話を聞きたい」とご相談をいただき、当社が日頃からお世話になっている資材メーカー5社を訪問することになりました。
その様子をレポートしていきたいと思います。
第3回目の今回は6/28(金)に、品川女子学院 被服部の皆さまとアゲハラベルベット様に伺いました。
アゲハラベルベットとは
アゲハラベルベットは、メイド・イン・ジャパンのベルベットメーカーです。
1934年に当時の創業者が絹織物・織布工場を福井県鯖江市に開設されたことで、会社が始まりました。1949年にはビロード製織を開始されました。それからこれまで約90年間ベルベットを作り続け、現在ではファッションはもちろん、インテリアなども手掛けられています。
ベルベットとは、タテ糸パイルの比較的毛足の長いパイル織物の一種で、平織または綾織の2枚の織物をタテ糸によってパイル糸とともに織り込み、それを2枚に切り分けて製造されるものです。高密度に繊維が揃い、繊維の末端周辺に特有の肌触りを持ちます。
訪問の様子
当日は、アゲハラベルベットの鈴木様より学生の皆さまに向けて会社のご説明とベルベットについてのご説明をしていただきました。ベルベットは昔、化粧用の高級バフや、フィルムカメラの遮光素材として使用されていました。現在はアゲハラベルベットで作られているベルベットの約7割以上が輸出で、そのほとんどがファッションに使われているそうです。ここで学生さんから良い質問が!「ヨーロッパのコレクションで使用されている生地も御社のものですか?」日本のベルベット生地は海外からの評価も高く、重宝されているようです。そして日本でベルベット生地といえばアゲハラベルベット。よって学生さんの質問の答えはイエス!今後ヨーロッパのコレクションを見る目が変わりそうです。
アゲハラベルベット様は本社工場と戸ノ口工場の2つの工場があり、それぞれ役割がわかれています。加工の種類も様々で、パイルを残す部分とパイルを脱落させる部分が柄になるプリント加工(オパール加工)や、熱と圧力でパイルをつぶして型押しする加工(エンボス加工)など、様々な加工がなされています。学生の皆さまはこれらの加工がどのように行われているか興味を持たれていました。
スライドでの説明の後は、実際にベルベット生地を見せていただきました。多種多様な生地を目の前に学生の皆さまは大興奮。皆さまそれぞれのお気に入りを見つけてはお友達に見せて楽しくお話しされていました。ここでも加工についての疑問が多く、様々な質問が飛び交っていました。
最後に鈴木様が100年以上前のアンティークベルベットのスクラップブックを持ってきてくださいました。私たち繊維業界で働いているプロでも見たことのないもので、くぎ付けになりました。
今回ご協力してくださいましたアゲハラベルベットの鈴木様、ご参加頂いた品川女子学院 被服部の皆さま、本当にありがとうございました。